「インターカレッジ・ソニックアーツ・フェスティバル・ICSAF」は、JSSA先端芸術音楽創作学会のインターカレッジ運営委員会によって、テクノロジーと芸術の融合について学ぶ我が国の大学および研究教育組織に所属する学生・教員の情報交換や教育研究実践のために、学生の作品の上演や展示・研究発表を含む大きな年次イベントです。
前身のイベントまで含めると30年弱、ICSAFというイベント名でJSSAインターカレッジ運営委員会によって開催されるようになってからは10年を超え、継続して行われています。前身のイベントである「インターカレッジ・コンピュータ音楽コンサート(IC)」は情報処理学会音楽情報科学研究会(音情研SIGMUS)のインターカレッジ・コンピュータ音楽ワーキンググループ(ICWG)によって年次で行われていたが、テクノロジー志向の強い作品・研究だけでなく、芸術的な意味合いとテクノロジーをより融合させた作品や研究発表等を取り込むようになり、またコンサート上演形態ではない音楽・音響その他の芸術的表象も含めた作品も取り込むため、ICSAFとなりました。
本イベントは学部学生から博士課程の学生まで、幅広い学生の教育研究実践の場として機能しています。30年近くにわたって継続してきたIC/ICSAFは、海外の関連学協会からも注目されるプロジェクトです。
ICSAFはまた、新型コロナウィルス感染症の拡大状況下の2020年度、2021年度においても、テクノロジーと芸術の融合を掲げる本イベントは、芸術のためのテクノロジーの応用という側面を最大限に活かしたオンラインイベントとして継続開催されました。今後、芸術とテクノロジーがさらなる融合を果たしていく未来を目指し、実践的な芸術イベントとすることができました。
さらに、近年は開催地域の大学がまとまって開催することが多いため、イベントスタッフを務めるその地域の学生同士の交流機会の側面も強く持ちつつああります。久々の現地開催で会った2022年度は東京都立大、東京電機大、東京工科大の学生のスタッフ同士の積極的な交流がありました。オンライン開催時も関西・九州圏のスタッフがその技術を持ち寄り開催・運営を行っていました。
また、作品だけでなく研究発表や講演にも積極的に学生が参加しています。JSSAの年間研究会を通じてICSAFは学生の発表が一番盛んな研究会であり、技術のみならず、コンサート上演作品やインスタレーション作品についての創作ノートの発表などが発表されることで、その教育効果は高いと言えます。
今後も、次世代のための芸術とテクノロジーの融合を、芸術とテクノロジーの両面から学問的かつ実践的に、行っていくイベント・コミュニティであることを目指します。
JSSAインターカレッジ運営委員長 安藤大地
SIGMUS「インターカレッジ・コンピュータ音楽コンサート」(IC)の過去の活動記録がアーカイブとして閲覧可能になりました:https://ic.jssa.info/